ドライマークは自宅で洗える?P・F表示の意味と失敗しない洗い方

洗濯表示に「P」「F」「ドライ」というマークを見つけて、「これって自宅で洗っていいの?」と困っていませんか?
ドライマークがあると「クリーニングに出さないとダメ」と思いがちですが、実は自宅で洗える服も多くあります。
この記事では、ドライマークの正しい見方から、自宅での洗い方、クリーニング店との使い分けまで、実践的な情報をお届けします。
【結論】ドライマークの正しい理解
ドライマークの意味: 「ドライクリーニングができる」という意味であって、「ドライクリーニングしかできない」という意味ではありません。
自宅で洗えるかの判断:
- ドライマーク+水洗いOKマーク → 自宅で洗える
- ドライマーク+水洗い✕マーク → クリーニング店へ
ドライクリーニングとは: 水を使わず、石油系の溶剤で洗う方法。自宅ではできません。
洗濯機の「ドライコース」: ドライクリーニングとは別物。弱い水流で洗う普通の水洗いです。
この記事で分かること
- ドライマークの種類と意味(P・F・ドライ)
- ドライクリーニングの仕組み
- 自宅で洗えるか判断する方法
- 自宅での正しい洗い方(洗濯機・手洗い)
- 洗ってはいけないものの見分け方
- クリーニング店との使い分け
消費者庁の洗濯表示ガイドラインに基づいています。
ドライマークとは?P・F・ドライの3種類を解説
ドライマークの種類
洗濯表示にある円形のマークがドライマークです。
マーク1:Ⓟマーク
- 意味:パークロロエチレンという溶剤でドライクリーニング可能
- 最も一般的なドライマーク
- 多くのクリーニング店で対応可能
マーク2:Ⓕマーク
- 意味:フッ素系溶剤または石油系溶剤でドライクリーニング可能
- デリケートな素材に使用
- Ⓟよりも優しい洗浄
マーク3:「ドライ」の文字(旧表示)
- 2016年以前の表示
- 現在はⓅまたはⓅに統一
これらのマークは「クリーニング店がどの溶剤を使うか」を示すものです。自宅で洗う場合は、別の「水洗いマーク」を確認します。
ドライクリーニングとは?水を使わない洗濯の仕組み

水を使わない洗濯方法
ドライクリーニングは、水を使わず石油系の溶剤で洗う方法です。
通常の洗濯: 水+洗剤で汚れを落とす
ドライクリーニング: 石油系溶剤で汚れを落とす(水は使わない)
ドライクリーニングのメリット
水洗いのリスク:
- 縮む(ウール、カシミヤなど)
- 型崩れする(スーツ、コートなど)
- 色落ちする
- シワになる
ドライクリーニングのメリット:
- 型崩れしない
- 縮まない
- 油汚れに強い
石油系溶剤は水より軽く、繊維への負担が少ないため、デリケートな服も洗えます。
自宅でドライクリーニングはできない3つの理由
-
専用の溶剤が必要
- 石油系溶剤は家庭では購入できません
- クリーニング師の資格が必要
-
専用の機械が必要
- ドライクリーニング専用機が必要
- 家庭用洗濯機では対応不可
-
専門の技術と設備が必要
- プロの技術が求められる
つまり、自宅で「ドライクリーニング」はできません。ただし、ドライマークの服を「水洗い」することは可能な場合が多いです。
自宅で洗えるか判断する3ステップ
STEP1:ドライマークを確認
洗濯表示タグでⓅ、Ⓕ、または「ドライ」のマークを探します。
STEP2:水洗いマークを確認(最重要)
ドライマークの隣にある「桶」のマークを見ます。
自宅で洗えるパターン:
- 桶のマーク(×なし)→ 洗濯機で洗える
- 桶に手のマーク → 手洗いできる
自宅で洗えないパターン:
- 桶に×マーク → 水洗い不可、クリーニング店へ
STEP3:素材を確認
水洗いOKでも、以下の素材は注意が必要です。
慎重に洗うべき素材:
- ウール70%以上
- シルク
- カシミヤ
- レーヨン
- キュプラ
これらは手洗い推奨です。
判断フローチャート
ドライマークがある
↓
水洗いマークは?
- 桶(×なし)→ 洗濯機OK(ドライコース使用)
- 桶に手 → 手洗いOK
- 桶に× → クリーニング店へ
自宅で洗う方法【洗濯機で洗う場合】
準備するもの
- おしゃれ着用洗剤(エマール、アクロンなど)
- 洗濯ネット
- 柔軟剤(お好みで)
洗い方の手順
- 前処理
- 襟や袖口の汚れに洗剤を直接塗る
- ボタンやファスナーを閉じる
- 汚れが外側になるようにたたむ
- 洗濯ネットに入れる
- 1枚ずつ入れる
- ネットのサイズは衣類に合わせる
- 洗濯機の設定
- 「ドライコース」「おしゃれ着コース」「手洗いコース」を選択
- 水温は30度以下
- 脱水は短め(1分程度)
- 洗剤を入れる
- おしゃれ着用洗剤を規定量
- 柔軟剤を使うとふんわり仕上がる
- 洗濯開始
- そのままスタート
- 途中で確認しない(負担がかかる)
- 脱水後すぐに取り出す
- シワ防止のため、すぐに取り出す
- 形を整えて干す
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洗濯機の「ドライコース」とドライクリーニングの違い
よくある誤解: 「ドライコース = ドライクリーニング」ではありません。
ドライコースの正体:
- 弱い水流で洗う水洗い
- 通常コースより優しい設定
- デリケートな服向け
つまり、ドライコースは「水を使った優しい洗濯」であって、ドライクリーニングとは全く別物です。
自宅で洗う方法【手洗いする場合】
デリケートな素材や大切な服は手洗いがおすすめです。
手洗いの手順
- 洗面器に水を張る
- 水温は30度以下
- 衣類が浸かる量
- 洗剤を溶かす
- おしゃれ着用洗剤を規定量
- よく混ぜて溶かす
- 押し洗い
- 衣類を浸す
- 手のひらで優しく押す(20回から30回)
- こすらない、もまない
- すすぎ
- 水を2回から3回替える
- 泡が出なくなるまで
- 脱水
- 洗濯ネットに入れる
- 洗濯機で10秒から20秒だけ脱水
- または、タオルで挟んで水気を取る
- 形を整えて干す
- すぐに干す
- 平干しか吊り干し
所要時間:10分から15分程度
素材別・自宅で洗える?洗えない?
|
素材 |
自宅で洗える? |
洗い方 |
注意点 |
|
綿 |
○ |
洗濯機OK |
縮みやすい |
|
ポリエステル |
○ |
洗濯機OK |
比較的丈夫 |
|
ウール(70%未満) |
△ |
手洗い推奨 |
縮みやすい |
|
ウール(70%以上) |
△ |
手洗い必須 |
要注意 |
|
シルク |
△ |
手洗い必須 |
とてもデリケート |
|
カシミヤ |
△ |
手洗い必須 |
高級品はNG |
|
レーヨン |
△ |
手洗い推奨 |
水に弱い |
|
綿×ポリエステル混紡 |
○ |
洗濯機OK |
比較的安全 |
△は「洗えるが慎重に」という意味です。
絶対に自宅で洗ってはいけないもの

以下の服は、水洗いマークがあっても自宅で洗うのは避けましょう。
1. 装飾品がついている服
例えば:
- ビーズ、スパンコール
- 刺繍
- 取り外せない装飾
理由: 装飾が取れたり、生地を傷つける可能性があります。
2. 特殊加工が施された服
例えば:
- プリーツ加工
- 撥水加工
- シワ加工
理由: 水洗いで加工が落ちてしまいます。
3. 革・ファー製品
例えば:
- レザージャケット
- ファー付きコート
- スエード
理由: 水に弱く、質感が失われます。
4. 色落ちしやすい服
チェック方法: 目立たない部分に濡れた白い布を押し当てる。色が移ったら色落ちする証拠です。
理由: 他の服に色移りします。
5. 高級ブランド品
例えば:
- スーツ(高級ブランド)
- ウエディングドレス
- フォーマルウェア
理由: 失敗したら買い直しが高くつきます。
6. 形が複雑な服
例えば:
- 芯地が多い服(ジャケット、コートなど)
- ネクタイ
- 立体的な構造の服
理由: 型崩れして元に戻せません。
クリーニング店と自宅洗いの使い分け
クリーニング料金相場と仕上がり日数
|
衣類 |
料金相場 |
仕上がり日数 |
自宅洗いとの比較 |
|
シャツ |
300〜500円 |
2〜3日 |
自宅洗い推奨 |
|
セーター |
500〜800円 |
2〜3日 |
自宅でもOK |
|
スーツ上下 |
2,000〜5,000円 |
3〜5日 |
クリーニング推奨 |
|
コート |
2,000〜4,000円 |
3〜5日 |
クリーニング推奨 |
|
ダウンジャケット |
3,000〜6,000円 |
5〜7日 |
クリーニング推奨 |
クリーニング店に出すべき服
頻度: シーズン終わりに1回
該当する服:
- スーツ
- コート
- ダウンジャケット
- 高級ウール製品
- カシミヤ製品
- フォーマルウェア
理由: 型崩れさせずに仕上げるには専門の技術と設備が必要です。
自宅で洗っていい服
頻度: 着用ごと、または汚れたら
該当する服:
- 綿やポリエステル混紡のシャツ
- カーディガン(ウール50%未満)
- ニット(薄手)
- ワンピース(装飾なし)
理由: 頻繁にクリーニングに出すとコストがかかります。
使い分けのポイント
例:ウールセーター
- 普段:自宅で手洗い
- シーズン終わり:クリーニング店でプレス仕上げ
このように使い分けると、コストを抑えながら服を長持ちさせられます。
よくある質問10選
Q1:ドライマークがあると必ずクリーニングに出さないとダメ?
いいえ、違います。ドライマークは「ドライクリーニングができる」という意味であって、「ドライクリーニングしなければならない」という意味ではありません。水洗いマークがあれば自宅で洗えます。
Q2:洗濯機の「ドライコース」でドライクリーニングできる?
できません。洗濯機の「ドライコース」は、弱い水流で洗う普通の水洗いです。ドライクリーニングとは全く別物です。ドライクリーニングは水を使わない洗浄方法で、専用の溶剤と機械が必要です。
Q3:ドライマークと水洗い×マークがある服は?
クリーニング店に出しましょう。水洗いができないため、自宅では洗えません。無理に洗うと縮み、型崩れ、色落ちのリスクがあります。
Q4:おしゃれ着用洗剤は必要?
はい、必要です。通常の洗剤は洗浄力が強すぎて、デリケートな服を傷めます。おしゃれ着用洗剤(エマール、アクロンなど)は中性で、繊維に優しく汚れを落とします。
Q5:ウール100%のセーターは自宅で洗える?
洗えますが、手洗い必須です。洗濯機は使わず、30度以下の水でおしゃれ着用洗剤を使って押し洗いしましょう。脱水は10秒程度、平干しで乾かします。高級品やお気に入りはクリーニング店がおすすめです。
Q6:シルクは自宅で洗える?
水洗いマークがあれば洗えますが、とてもデリケートです。手洗い必須、30度以下の水、短時間で優しく洗います。高級シルクや色の濃いものはクリーニング店が安全です。
Q7:色落ちテストはどうやるの?
目立たない部分(内側の縫い目など)に、水で濡らした白い布を押し当てます。5秒から10秒待って、布に色が移っていたら色落ちする証拠です。色落ちする服は単独で洗うか、クリーニング店へ。
Q8:自宅で洗ったら縮んでしまった。元に戻せる?
ウールやカシミヤが縮んだ場合、元に戻すのは難しいです。ぬるま湯にヘアトリートメントを入れて浸し、優しく伸ばす方法で多少改善することもありますが、完全には戻りません。
Q9:ドライマークの服はどのくらいの頻度で洗う?
着用ごとに洗う必要はありません。汗をかいたり、汚れが目立つ時に洗いましょう。普段は、着用後にブラシで埃を落とし、風通しの良い場所で陰干しするだけで十分です。
Q10:クリーニング店と宅配クリーニング、どっちがいい?
両方にメリットがあります。近所のクリーニング店は料金が安く、すぐに仕上がります。宅配クリーニングは、重い服や大量の服を運ぶ手間が省けます。自分の生活スタイルに合わせて選びましょう。
ドライマークの服は自然乾燥が基本ですが、乾燥機OKの衣類を効率的に乾かすならYoqunaをチェックしてみてください。
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自宅で洗う時の最終チェックリスト
洗濯する前に、以下を確認しましょう。
- 水洗いマークを確認:桶に×がないか確認
- 素材を確認:ウール、シルク、カシミヤは手洗い
- 装飾品を確認:取り外せない装飾があればNG
- 色落ちテスト:濡れた白い布で色移りチェック
- おしゃれ着用洗剤を用意:中性洗剤を使う
- 洗濯ネットを用意:衣類のサイズに合ったもの
- ドライコースを選択:弱い水流で洗う
- 脱水は短時間:1分程度でOK
- すぐに取り出す:シワ防止のため
- 形を整えて干す:平干しか吊り干し
これらを守れば、ドライマークの服も自宅で安全に洗えます。
参考文献・出典
- 消費者庁「洗濯表示ガイドライン」
- パナソニック「おうちクリーニングできる衣類の見分け方」
- 一般社団法人日本衣料管理協会「衣類の取扱いに関する技術資料」
- 全国クリーニング生活衛生同業組合連合会「クリーニング技術マニュアル」












