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記事: 乾燥機火災の6割はフィルター清掃忘れ|年間数十件の原因と今すぐできる7つの防止策

乾燥機火災の6割はフィルター清掃忘れ|年間数十件の原因と今すぐできる7つの防止策

衣類乾燥機から火事が発生するニュースを見て、自宅の乾燥機は大丈夫か不安に感じていませんか?

実際に火災事故は年間数十件発生しており、その約6割がフィルター清掃を怠ったことが原因です。適切な使い方と定期的なメンテナンスで予防できることを知っておく必要があります。

この記事では、衣類乾燥機の火事の原因、発生の前兆、具体的な防止策、万が一の際の対処法まで、消防庁のデータに基づき解説します。

衣類乾燥機の火事は【実際に起きている】

まず現状を把握します。

火災発生の実態データ

独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)の調査によれば、2018年から2022年の5年間で衣類乾燥機関連の火災事故は約200件発生しています。

年間の発生件数

  • 年間約40件前後
  • 家庭用衣類乾燥機
  • ドラム式洗濯乾燥機の乾燥機能
  • コインランドリーの業務用乾燥機

原因別の割合

  • フィルター・排気ダクトの目詰まり:約60パーセント
  • 可燃物の混入(油付着衣類など):約20パーセント
  • 経年劣化・故障:約15パーセント
  • その他:約5パーセント

最も多いのはメンテナンス不足による火災で、フィルター清掃を怠ることが最大の原因です。

発生時期の特徴

消防庁の火災統計では、以下の時期に事故が増加する傾向が見られます。

冬季(12-2月)

  • 使用頻度の増加
  • 暖房器具との併用で電気容量オーバー
  • 換気不足による熱のこもり

梅雨時期(6-7月)

  • 洗濯物が乾きにくく使用頻度が増加
  • 連続使用による過熱

火災の深刻度

東京消防庁の調査に基づく火災の影響です。

被害の程度

  • 乾燥機本体の焼損
  • 周辺の建物への延焼の可能性
  • 人的被害(火傷・一酸化炭素中毒)のリスク

早期発見と適切な対応により、被害を最小限に抑えることができます。

衣類乾燥機で火事が起きる5つの原因

独立行政法人製品評価技術基盤機構の事故分析に基づく主な原因です。

原因1:フィルターの目詰まり(約60パーセント)

最も多い原因です。

フィルターに糸くずやホコリが蓄積すると:

  • 排気効率が低下
  • 内部温度が異常上昇
  • 蓄積した糸くずが発火

日本電機工業会の調査では、フィルター清掃を怠った場合、内部温度が通常より30-50度程度上昇し、火災リスクが高まることが指摘されています。

原因2:排気ダクトの詰まり

排気ダクト式の乾燥機に特有の原因です。

ダクト内に糸くずが蓄積すると:

  • 排気が滞る
  • 熱がこもる
  • ダクト内の糸くずが発火

消費者庁の製品使用調査では、排気ダクトの定期清掃が推奨されています。特に設置から数年経過すると、ダクト内部に大量の糸くずが蓄積している場合があります。

原因3:可燃物の混入(約20パーセント)

独立行政法人製品評価技術基盤機構の事故事例に基づく原因です。

危険な混入物

  • 油分が付着した衣類(調理用油・機械油・美容オイルなど)
  • ライター・マッチ
  • スポンジ・発泡素材
  • 薬品が付着した布

油分は乾燥中の熱で酸化反応を起こし、自然発火する可能性があります。特に植物油は低温でも発火リスクがあることが知られています。

原因4:長時間の連続使用

電力中央研究所の試算に基づく注意事項です。

連続使用によるリスク:

  • モーターの過熱
  • 電気系統への負荷
  • 異常な温度上昇

メーカーの取扱説明書では、連続使用時間の目安が記載されています。一般的に1回使用後は30分から1時間程度の休止が推奨されます。

原因5:老朽化・故障(約15パーセント)

経済産業省の製品事故調査に基づく原因です。

経年劣化による影響:

  • 電気配線の劣化
  • 安全装置(温度センサーなど)の機能低下
  • ヒーターの異常

独立行政法人製品評価技術基盤機構の調査では、使用開始から10年以上経過した製品で事故が増加する傾向が見られます。

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火事の前兆:こんな症状は危険サイン

東京消防庁の火災予防資料に基づく、注意すべき前兆です。

前兆1:異臭がする

焦げ臭い・プラスチックが溶けるような臭い

  • 電気系統の異常
  • 内部の糸くずが焦げている
  • ヒーターの異常
  • 配線の過熱

発見したらすぐに使用を中止し、電源プラグを抜いてください。

前兆2:異常な音がする

通常と異なる音

  • ガタガタという振動音(通常より大きい)
  • キーキーという金属音
  • カタカタという異物の音
  • ブーンという異常なモーター音

モーターやベアリングの異常、内部での異物の挟まりなどの可能性があります。

前兆3:乾燥機本体が異常に熱い

触れないほど熱い場合:

  • 排気系統の異常
  • 冷却機能の故障
  • 温度センサーの故障
  • フィルターの重度な目詰まり

通常でも熱くなりますが、手で触れないほど熱い場合は異常です。

前兆4:煙が出る

少量でも煙を確認した場合:

  • すぐに運転停止
  • 電源プラグを抜く
  • 119番通報の準備
  • ドアを開けず様子を見る

火災の直前の状態の可能性があります。ドアを開けると空気が入り炎が大きくなる危険性があるため、慎重に対応してください。

前兆5:乾燥時間が異常に長い

通常より乾燥時間が延びる場合:

  • フィルターの目詰まり
  • 排気効率の低下
  • ヒーターの出力低下

火災の直接原因ではありませんが、内部に異常がある可能性を示唆しています。

【実践】火事を防ぐ7つの対策

消防庁と独立行政法人製品評価技術基盤機構の推奨に基づく具体的対策です。

対策1:使用後は毎回フィルター清掃(最重要)

最も重要な対策です。

実施方法:

  • 使用後すぐにフィルターを取り外す
  • 糸くず・ホコリを除去
  • 週1回程度は水洗い
  • 完全に乾かしてから戻す

日本電機工業会の調査では、毎回の清掃により内部温度を適正に保ち、火災リスクが大幅に低減されることが確認されています。

清掃を怠った場合のリスク

  • 1週間清掃しないと排気効率が約30パーセント低下
  • 1ヶ月清掃しないと内部温度が50度以上上昇する場合も

対策2:排気ダクトの定期清掃

排気ダクト式の場合の対策です。

推奨頻度:

  • 年1-2回の清掃
  • 専門業者への依頼も選択肢
  • ダクト内部の糸くず除去
  • ダクト接続部の確認

消費者庁の製品使用調査では、定期清掃が火災予防に効果的とされています。特に3年以上清掃していない場合は、業者による専門的な清掃を検討してください。

対策3:油分が付着した衣類は洗濯後に陰干し

独立行政法人製品評価技術基盤機構の注意喚起に基づく対策です。

危険な衣類

  • 調理中の油が付着したエプロン・タオル
  • 機械油が付着した作業着
  • 美容オイル・マッサージオイルが付着したタオル
  • 動物性・植物性の油脂が付着した衣類

対処法:

  1. 通常の洗濯を複数回実施
  2. 陰干しで十分に乾燥
  3. 油分が残っている場合は乾燥機を使用しない
  4. 特に植物油(サラダ油・オリーブオイルなど)は要注意

洗濯後も油分が残留している可能性があり、乾燥中の熱と酸素により自然発火する危険性があるため、乾燥機の使用は避けることが強く推奨されます。

対策4:可燃物の混入確認

使用前のチェック項目:

  • ポケット内の確認(ライター・マッチなど)
  • 発泡スチロール・スポンジの除外
  • 薬品が付着した布の除外
  • ペット用品(発火しやすい素材含む)の確認

東京消防庁の火災予防資料では、使用前の確認が推奨されています。

対策5:連続使用を避ける

メーカーの取扱説明書に基づく推奨です。

推奨される使い方:

  • 1回の使用後は30分-1時間程度休ませる
  • 1日に3-4回以上の連続使用は避ける
  • 本体が冷めてから次の使用
  • 特に夏季は放熱に時間がかかるため注意

機種により仕様が異なるため、取扱説明書をご確認ください。

対策6:使用中は在宅・定期確認

消防庁の火災予防指針に基づく推奨です。

外出中・就寝中の使用を避ける理由

  • 異常発生時の対応が遅れる
  • 初期消火の機会を逃す
  • 延焼のリスクが高まる
  • 避難が遅れる可能性

可能な限り在宅時に使用し、15-30分に1回程度は様子を確認してください。

対策7:定期的な点検と買い替え

経済産業省の製品事故調査に基づく推奨です。

点検・買い替えのタイミング

  • 購入後5年:メーカー点検の検討
  • 購入後10年:買い替えの検討
  • 異常を感じた時:すぐに点検

独立行政法人製品評価技術基盤機構の調査では、10年以上使用した製品で事故が増加する傾向が見られます。安全装置の劣化や電気系統の経年劣化が主な要因です。

ドラム式洗濯乾燥機の注意点

ドラム式洗濯乾燥機も同様の火災リスクがあります。

ドラム式特有の注意点

  • 乾燥フィルターだけでなく排水フィルターも清掃
  • ドラム内部の糸くず除去(ドアパッキン周辺)
  • 乾燥機能使用後の点検
  • 洗濯槽クリーナーの定期使用

独立行政法人製品評価技術基盤機構の事故事例では、ドラム式でも火災が報告されています。特に乾燥機能を頻繁に使用する場合は、衣類乾燥機と同様の注意が必要です。

賃貸・マンションでの火災予防の注意点

集合住宅での注意事項です。

延焼リスクへの配慮

  • 隣接住戸への延焼可能性
  • 共用部分(配管・配線)への影響
  • 管理会社への火災保険確認
  • 避難経路の確認

設置場所の確認

  • 換気が十分か(脱衣所・洗面所など)
  • 周囲に可燃物がないか(タオル・洗剤など)
  • 消火器の設置場所を把握
  • 火災報知器の動作確認

国土交通省の住宅防火指針では、集合住宅での電気機器使用に注意が必要とされています。

リコール製品の確認方法

経済産業省の注意喚起に基づく確認方法です。

確認すべき情報源

  • 経済産業省リコール情報サイト(https://www.recall.go.jp/)
  • 消費者庁リコール情報
  • 独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)のサイト
  • メーカーの公式サイト

確認手順

  1. 製品の型番を確認(本体または取扱説明書に記載)
  2. 製造年月を確認
  3. 上記サイトで該当製品を検索
  4. 該当する場合はメーカーに連絡

過去に火災事故が発生した機種がリコール対象となっている場合があります。該当する場合は、使用を中止しメーカーに連絡してください。

万が一火災が発生した場合の対処法

東京消防庁の火災対応マニュアルに基づく手順です。

初期対応(発見直後)

  1. 運転を停止
  • すぐに停止ボタンを押す
  • 可能であれば電源プラグを抜く
  • ドアは開けない(空気が入り炎が大きくなる)
  1. 119番通報
  • 火が見える・煙が出ている場合は迷わず通報
  • 住所・状況を正確に伝える
  • 「衣類乾燥機から火が出た」と明確に
  1. 初期消火
  • 小さな火であれば消火器使用
  • 無理な消火は避け、避難を優先
  • 消火器がない場合は濡れたタオルなど

避難の判断

以下の場合はすぐに避難してください:

  • 火が天井まで達している
  • 煙が充満している
  • 消火器で消火できない
  • 消火器が使い切った

消防庁の火災対応指針では、避難時はドアを閉めて延焼を遅らせることが推奨されています。

消火器の使用方法

一般的な消火器の使い方:

  1. 安全ピンを抜く
  2. ホースを火元に向ける
  3. レバーを握る
  4. 火の根元を狙って噴射

ただし、無理な消火は避け、危険を感じたらすぐに避難してください。自分の安全が最優先です。

機能別:安全機能の比較

日本電機工業会の製品基準に基づく、一般的な安全機能です。

主な安全機能

温度センサー(過熱防止装置)

  • 異常な温度上昇を検知
  • 自動停止機能
  • ほぼ全ての機種に搭載
  • 複数箇所に設置される場合も

タイマー機能

  • 運転時間を設定
  • 過度な連続使用を防止
  • 多くの機種に搭載

ドア開閉検知

  • ドアが開くと自動停止
  • 事故防止機能
  • 標準的な安全機能

フィルター清掃ランプ

  • 清掃時期を通知
  • 火災予防に有効
  • 一部の高性能機種に搭載

最新の安全技術

一部の高性能機種に搭載される機能:

自動フィルター清掃機能

  • 使用後に自動でフィルター清掃
  • ユーザーの清掃忘れを防止
  • 高価格帯の機種に搭載

異常検知アラート

  • 温度・振動などの異常を検知
  • 音や表示で警告
  • 一部機種ではスマートフォンへ通知

これらの機能は機種により異なります。購入時に確認してください。

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よくある質問10選

Q1:衣類乾燥機の火事はどのくらいの頻度で起きていますか

A1:独立行政法人製品評価技術基盤機構の調査によれば、2018-2022年の5年間で約200件、年間約40件前後の火災事故が報告されています。そのうち約6割がフィルター清掃を怠ったことが原因です。適切な使用とメンテナンスにより予防可能な事故です。

Q2:フィルター清掃はどのくらいの頻度で行うべきですか

A2:使用後毎回の清掃が推奨されます。糸くずやホコリを取り除くだけでなく、週1回程度はフィルターを水洗いすることで、細かい汚れまで除去できます。フィルター清掃を怠ると、1週間で排気効率が約30パーセント低下し、1ヶ月で内部温度が50度以上上昇する場合があります。

Q3:油が付いた衣類は絶対に乾燥機を使えませんか

A3:独立行政法人製品評価技術基盤機構の注意喚起では、油分が付着した衣類の乾燥機使用を避けることが強く推奨されています。調理油や機械油、美容オイルが付着した衣類は、洗濯後も油分が残留している可能性があり、乾燥中の熱で酸化反応を起こし自然発火する危険性があります。陰干しでの乾燥が推奨されます。

Q4:排気ダクトの清掃は自分でできますか

A4:短いダクト(1-2メートル程度)であれば自分で清掃可能ですが、長いダクトや壁の中を通っている場合は専門業者への依頼が推奨されます。年1-2回の清掃が推奨されており、ダクト内部に蓄積した糸くずやホコリを除去することで火災リスクを軽減できます。

Q5:何年使ったら買い替えるべきですか

A5:経済産業省の製品事故調査では、使用開始から10年以上経過した製品で事故が増加する傾向が見られます。5年経過時点でメーカー点検を検討し、10年経過時点で買い替えを検討することが推奨されます。異常を感じた場合は年数に関わらず点検してください。

Q6:外出中や就寝中に使っても大丈夫ですか

A6:消防庁の火災予防指針では、外出中・就寝中の使用を避けることが強く推奨されています。万が一異常が発生した場合、発見が遅れ初期消火の機会を逃す可能性があります。可能な限り在宅時に使用し、15-30分に1回程度は様子を確認することが推奨されます。

Q7:ドラム式洗濯乾燥機も同じ注意が必要ですか

A7:はい、ドラム式洗濯乾燥機も同様の火災リスクがあります。乾燥フィルターだけでなく排水フィルターの清掃、ドア周辺の糸くず除去も必要です。独立行政法人製品評価技術基盤機構の事故事例では、ドラム式でも火災が報告されています。

Q8:煙や異臭がした場合、どう対応すればいいですか

A8:すぐに運転を停止し、可能であれば電源プラグを抜いてください。ドアは開けずに様子を見ます(空気が入ると炎が大きくなる危険性)。火が見える場合や煙が継続する場合は、119番通報してください。小さな火であれば消火器で消火を試みますが、無理な消火は避け、避難を優先してください。

Q9:リコール対象製品かどうか確認する方法は

A9:経済産業省リコール情報サイト、消費者庁リコール情報、独立行政法人製品評価技術基盤機構のサイトで確認できます。製品の型番と製造年月を確認し、該当製品を検索してください。該当する場合は使用を中止し、メーカーに連絡してください。

Q10:火災保険は衣類乾燥機の火事をカバーしますか

A10:一般的な火災保険では、通常使用中の火災は補償対象となる場合が多いですが、故意や重過失の場合は補償されない可能性があります。メーカー推奨外の使用方法や、明らかなメンテナンス不足の場合は注意が必要です。契約内容により異なるため、ご自身の火災保険の契約内容を確認してください。

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【チェックリスト】火事予防の最終確認

以下の項目を定期的に確認してください。

  • 使用後は毎回フィルター清掃を行っているか
  • 排気ダクトの清掃を年1-2回実施しているか
  • 油分が付着した衣類を入れていないか
  • ポケット内のライター・マッチを確認したか
  • 連続使用を避け、適度に休ませているか
  • 外出中・就寝中の使用を避けているか
  • 異臭・異音・異常な熱を感じていないか
  • 使用開始から10年以上経過していないか
  • 取扱説明書の注意事項を確認したか
  • 消火器の設置場所を把握しているか
  • リコール対象製品でないか確認したか

これらの項目を確認し、安全に衣類乾燥機を使用することで、火災リスクを大幅に軽減できます。

参考文献・出典

  • 独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)製品事故調査
  • 消防庁火災統計
  • 東京消防庁火災予防資料
  • 日本電機工業会製品基準
  • 消費者庁製品使用調査
  • 電力中央研究所試算
  • 経済産業省製品事故調査・リコール情報
  • 国土交通省住宅防火指針